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船井総研 温浴ビジネスチーム
■2006年最新予測 温浴業界のこれから

日本は今、高齢化社会に突入し、健康志向がますます高まりを見せている。また20世紀の経済成長一辺倒の時代から脱却して、新しい持続可能な社会へどう転換するかが大きな課題となり、「LOHAS」が時代のキーワードとなりつつある。
時代の追い風を受け、温浴業界は単なる入浴機会の提供ではなく、「健康、美容、癒し、憩い」といった付加価値を提供する産業へと変貌を遂げながら急激な成長を続けている。これから温浴業界はどうなっていくのか。全国の温浴施設を奔走する船井総研温浴チームのスタッフが肌で感じている業界の最新動向とデータをもとに、温浴業界のこれからを予測する。

【温浴施設軒数と市場規模】
厚生労働省大臣官房統計情報部「衛生行政報告例」による温浴施設数は増加傾向を続けている。普通公衆浴場軒数(銭湯)はこの10年間で2,611軒減少(廃業)した。しかしその減少スピードはここ2年間鈍化し、年間200件を下回わるペースとなっている。一方その他公衆浴場、いわゆるスーパー銭湯や健康ランドといった温浴施設はこの10年間で3,912軒増えており、直近2年間はさらに増加傾向がペースアップしている。普通公衆浴場とその他公衆浴場の事業規模の違いを考えると、入浴料だけを見ても温浴市場全体が急激に拡大していることがわかる。

また、飲食や各種トリートメント等の付帯部門を積極的に導入・拡大する温浴施設が増えていることや、岩盤浴、ゲルマニウム温浴専門店なども広義の温浴市場ととらえれば、実態としてはさらに急成長マーケットであることが理解できる。






【新規出店】
この10年間は公共温浴施設とスーパー銭湯という2業態の急激な増加によって、「その他公衆浴場」の軒数が伸びてきた。しかし、この2業態は競争力の低下や出店可能な条件を備えた立地が残り少なくなってきたことによって、新規出店のペースは鈍化しつつある。
代わってよりハイグレード化した大型スーパー銭湯や、特定のターゲットに特化したスパ、レジャー施設との複合開発など、多様化した業態が新規出店を続けている。ひとつのパターンの業態がひと通り行き渡ると、より競争力のある業態が登場し、新旧交代しながらマーケットが成長していくというのは他業界でも共通の現象であり、温浴業界もそのプロセスを経ながら今後もさらなる成長を続けていくものと考えられる。

【リニューアル】
最新アイテムを備えた温浴施設が次々と新規出店することによって、近年温浴業界の変化のテンポが早まってきている。岩盤浴といった大型設備でさえ、登場してから全国的に普及するまでわずか3年足らずの時間であった。既存の施設はこのスピードに対応するために、予定よりも早い時期にリニューアルを実施するところが増えるだろう。
開業から10年前後の年月が経過し、本来であれば大規模リニューアルを実施すべき時期を過ぎている施設が多く見受けられる。しかしながら、これらの施設の事業主が大規模リニューアルを実施できるだけの資金的余力や、リニューアルして事業を立て直せるだけの経営戦略を持ち合わせていないケースも多いと思われる。これらの施設については、閉店や売却が避けられず、結果として別の事業主による事業再生が増えていくことが予想される。

【新業態】
スーパー銭湯はその名の通り、銭湯の入浴機能をより充実させることをベースとしながら、そこに飲食やマッサージ等の付加価値を加えた業態であった。しかし、近年は付加価値であった「健康」「美容」「癒し」「憩い」といった要素こそが温浴施設利用の主目的となっており、必ずしも浴場設備の充実や革新といった方法が顧客ニーズに対応するための答えとは限らなくなってきている。
定番の組み合わせであった「浴場+飲食+マッサージ」といったパターン以外にも、「健康」「美」「癒し」「憩い」を提供できるサービスや施設の組み合わせは無数に考えることができる。要はコンセプトやターゲットをどのように定めるかであり、それによって新業態開発の可能性は無限に広がっている。今後は個別の事業コンセプトやマーケット環境に応じて、ベストの業態を開発できる高度なプランニング力が重要になってくるだろう。
特にマッサージをはじめとするトリートメント関係は、利用経験のあるユーザーの増加と、その面積あたり収益性の高さから、今後も大きな伸びが予想される分野であると考えられる。
規模(資金力)の競争は一定のマーケットの中ではおのずと限界を迎える。今後はひとつひとつの付加価値をどれだけ質的に向上させることができるかが重要となり、競争力はハードではなく、ソフトの力に左右されるようになってくるだろう。したがって、ハードの価値主体でつくられた業態は伸び悩み、ソフトの力を発揮しやすい業態が伸びてくるものと予想される。


【注目のサービス、アイテム】
2005年に注目を集めたサービスやアイテムとしては、「岩盤浴」「人工炭酸泉」「源泉掛け流し」などの印象が強かった。
今後導入施設が増える可能性が高いサービスやアイテムとしては以下のようなものがあげられるのではないだろうか。
 ○ さらにレベルアップした岩盤浴
 ○ 足湯(浴場アイテムとしてではなく、店頭や憩いの場でのサービスとして)
 ○ 岩盤浴やサウナなどと融合したストレッチやホットヨガなどのサービス
 ○ お湯の品質表示(単なる殺菌や加温、加水の有無ではなく、より良いお湯を提供する姿勢をアピール)
 ○ エステティックなど、トリートメントサービスのバリエーションが増える
 ○ 飲食は軽食コーナーや食堂的なものは減り、居酒屋的な業態や専門業態が増える
 ○ 新規出店の施設を中心に家族風呂、貸切風呂の導入
 ○ ゲルマニウム温浴
ここではすでに人気がでてきているものや、その兆候が見られるものを挙げているが、浴場設備以外の部分での展開が多くなってきている。今後は温浴業界の外にもアンテナを張り巡らせることがより重要となってくるだろう。


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